仮面ライダーディケイド・響鬼編の感想

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仮面ライダーディケイドの響鬼編がとてもよかったので、それについて長文を書きます。興味ない人は、せめてyoutubeのセッション動画をチラッと見てほしいです。




さて、まずはディケイドについての紹介を。仮面ライダーディケイドってのは平成ライダー10周年を記念した作品です。ディケイド以前で9つの作品があったのですが、その9つの作品の世界(正確にはパラレルワールド)を回り、世界を救ったり破壊したりするのがディケイドの役目。

パラレルワールドなので、リアルタイムで放送していた当時(原典)とは若干違う設定になっています。たとえば、仮面ライダークウガでは人のために戦う正義感あふれる主人公だった雄介が、自分を認めるために戦う青年『ユウスケ』になっていたり。パラレルワールドなので俳優も異なっていることが多いです。そのため、放送開始当時は賛否両論でした。

ところが。続いて登場したキバの世界では原典とはガラリと変わったパラレルワールド。原典では怪物と敵対していた主人公ですが、キバの世界では怪物と人間が共存している世界。怪物と人間がレクリエーションしたり、幼児が「怪物だからって差別しちゃいけないんだよー!」って言ったり。あまりにも違いすぎて『まぁこれはこれでアリか』という意見が増え、今ではすっかりパラレルワールドという設定がなじんでしまった気がします。


そして18・19話は響鬼の世界。原典は鬼に変身するヒビキさんと、それに惹かれる中学生の明日夢の対比を描いた和風テイストあふれる作品でした。話の流れで途中から明日夢は鬼を目指すものの、最終的には鬼にはならず、ヒビキさんとは人生の師弟関係に決着しました。

鬼になるのには厳しい修行が必要で、ヒビキさんは最初から「明日夢を弟子にするつもりはない」といい、紆余曲折あったものの最終的に視聴者の予想通り鬼にならないまま人生師弟関係として終了しました。もちろん、視聴者としては(ストーリー上の不満はあったものの)『鬼にならずに人生の師弟関係を続ける』という流れは納得できます。けれども鬼になることを決心して戦いの生活に身をおく明日夢が見たかったのも事実。

それを今回の響鬼の世界で実現してくれたのです。

原典とは違ってヒビキさんはだらけていて、修行中のアスムに怪物退治をまかせっきり。一方、仲間のライダーは3つの流派に分かれて小競り合い。ライダー同士の戦いってのが平成ライダーの特徴だったりするのですが、勘違いで戦いをするよりは自分の流派が優れていることを示すという理由のほうがしっくりくるので個人的には満足でした。

仮面ライダーディケイドでは各世界を2話でまとめないといけないのですが、アスムが修行をする理由、ヒビキさんがだらける理由、争う師匠と力を合わせようとする弟子といったものをきっちりとまとめ、視聴後もさわやか。非常に好印象でした。何故か響鬼の世界は原典と同じ役者を多く使っていたこともあり、原作の味を生かしていたのが非常に嬉しかったです。


そして何よりも嬉しかったのが冒頭で紹介したセッション。仮面ライダー響鬼では敵を倒すときに楽器を使います。主要3ライダーが和太鼓・トランペット・ギターに分かれています。敵によって効く楽器が違うので原典ではそれぞれの楽器が一緒に演奏することはほとんどありませんでした。ところが、ディケイドでは形はどうあれ、楽器がセッションしてくれたんです。しかも演奏時間も思いのほか長い。原作を見ていたファンとしては念願のセッションでした。

仮面ライダー響鬼では和風の演出や楽器を使った攻撃、鬼という職業といった独特の世界観があったのですが、それを踏まえてディケイドで昇華させてくれたのが非常に嬉しかったです。原典の演出を各所に使いつつ、ディケイドらしさも失わない。原典のファンだからこそ、原典への愛が感じられる作品だったので非常に嬉しかったです。


前述のとおり、ディケイドは半年しか放送しないので2話でまとめる必要があります。短編だからこそ綺麗に見えるのかもしれませんが、原典の不満だった部分を踏まえつつ綺麗にまとめている話が多く、個人的にはとても嬉しかったです。

たとえばブレイド編。原典では初回でいきなりライダーの組織が崩壊してしまったのですが、「もしも組織が成長し続けたら」という一部視聴者の思いを見事に作り上げてくれました。たとえばキバ編。もしも怪物と人間が共存できたらどうなるか、という思いをしっかりと描いてくれました。

お祭り的な作品ではありますが、ディケイドの『他のライダーに変身』『他のライダーを変形させる』という要素を踏まえつつ、原典をアレンジ・リメイクしてくれてるのでとても嬉しいです。リメイクがうますぎて「この設定で1年放送してくれればなぁ」と思ったりもしたのですが、短編だから補正がかかって見えるのかもしれません。


平成仮面ライダーにはいろいろと思うことが多すぎるのですが、既存のヒーローものの概念を覆すという意味ではとても面白いと思います。個人的にはクウガ・電王・龍騎がオススメですが、時間に余裕があればぜひ全作品を見ていただきたいです。ディケイドのおかげで全作品のDVDを仕入れるレンタルショップも増えた今だからこそ。

2009/06/05


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